嘘つきお嬢様は、愛を希う



「君についての今後の話をしとかないとね。起きたばかりで悪いけど、下に降りてこれるかな?」


「……あの、はい」


「キツかったら無理しなくてもいいから。なんだったら運ぼうか?」


「っ、結構です!」



ふざけているわけではなく、忍崎さんはあくまで本気で言っているようだった。


ぎょっとしながら慌てて首を横に振り、わたわたとベッドから降り立つ。


運ぶだなんて、そんなことさせられるわけがない。


なんの断りもなく私を担いで、あげくソファに放り投げたどこかの誰かさんには、改めて文句を言いたいところだ。


思い出すだけで顔が熱くなってくる。