「……すでにぶっ飛ばしてるが?」 「そーっすよ! いってーじゃないすか!」 ぴょんっと跳ねるように立ち上がった天馬が、不満そうな顔をして頭をさする。 まだ少年のようなあどけなさを残した顔をガン見して、やっとのことでフリーズ状態から解放された私はホッと胸をなで下ろす。 あれだけ派手に転がっていたくせに、どうやらなんともないらしい。 「うるせーよ、騒ぐんじゃねえ。寝起きの頭に響くだろうが」 「す、すみませ……じゃなくて! 突然人を蹴り飛ばすとかなに考えてんすか、総長!」 ……総長?