「覚悟しとけよ。もう離してやらねえから」


「だ、大胆」


「なあ、桐乃。もう一回」



富や地位、名声とは引き換えられない──特別なもの。


ただひたすらに、こうして胸に溢れる愛しさが、私になににも変え難い幸せを与えてくれる。


胡蝶蘭の優しく甘い香りをまとわせて。



「大好きだよ」



──私たちは、今日も愛を希う。





【END】