『俺は補佐に向いてんだよ。頭には向いてねぇ』
まぁそれもこれも、どうやら胡蝶蘭で副総長まで上り詰めた賜物らしいけれど。
……なんだか最近、よりいっそう雰囲気がお父さんや櫂さんに似てきているような。
髪色が赤からブラウンへ落ち着いたこともあり、パソコン相手に眉間にシワを寄せている姿は、我が弟ながらなかなかにイケている。
実際どこへ行っても女の子の視線を引きつけるし、社員の間でもなにかと噂になっていた。
「それで、縁談相手はどんな人なの? 小さい頃から持ちかけられてたって言ってたけど……まさか五十過ぎのオジサマとかやめてよね」
「そんなわけないだろう。いかがわしい男だったら即座に断ってるさ。大事な娘をやるかもしれんのに」
「うっ……」
そうやって断りにくくして私を縁談へ行かせる気か。



