「……ここから飛び込んだ時ね、不思議と理月のこと考えてたんだ」
「…………」
「というか、理月が頭から離れてくれなかった」
今思えば、その時から気持ちはハッキリしていたのだ。
伝えるわけにはいかなかったけれど。
「──んなの、当たり前だろ」
ゆっくりと私に近づいてきた理月は、不服そうに自分の巻いていたマフラーを解くと私の首に巻き付けた。
「そうじゃなきゃ困るんだよ。何回言わせりゃ気が済むんだ、お前は」
「…………」
「それとも、もっと直球で言ってやろうか。──お前が好きだって」
ドクン──と心臓が大きく跳ねる。
ほんと、なんでこう厄介なのかな……。
予測していなかったわけじゃないのに、いざ面と向かって言われると刺激が強い。



