「──彼との繋がりだけで言えば、今に始まったことじゃない。だがそれはまた別の話だ」
「は? どういう……」
「いずれ分かる。それよりも、今日はお前達と話さなければならないことがあるから来たんだ。いい加減、逃げてばかりもいられないからな」
私と天馬を順に見たお父さんの言葉で、その場の空気がピリリと張り詰めた。
久しぶりだ。
こんなふうに、この人の前で緊張するのは。
──しかし私と天馬が息を呑み、ある程度の覚悟を決めて耳を傾けたその時。
なぜかお父さんは、私たちに向かって頭を下げたのだった。
「すまなかった」
え、と声を落としたのは私だったのか天馬だったのか。
思いもよらない言葉に二人揃って目をひんむいた。



