「……ほら、帰るぞ」 あまり不安にさせないよう、余計なことは言わずに抱きあげようとすると、桐乃がぎゅっと俺の服を掴む。 「ねえ、なんで来てくれたの」 「なんでってなんだよ」 「だって、私は……」 あぁまたそうやって、こいつはひとりで抱え込もうとする。 「お前がなんだろうが関係ねえんだよ。俺にとっても、こいつらにとっても……ただ椿桐乃っていう存在が大切だから助けに来るんだろ」 「っ……大切」 「そうよ、きりのん」 傍らにようやく状況を呑み込んだ瀬良がしゃがみこむ。