「負けてらんねえだろ、俺たちも」



傍から見ればこれは、とあるヒーローがとあるお姫様を救い出す……そんな在り来りな物語かもしれねえ。


だが、そこに目に涙する奇跡が生まれるかどうかなんて、この際どうでもいいことだ。


たとえ奇跡であろうとなかろうと、最後に残るのはたったひとつの事実だけ。



それ以上もそれ以下も、もとよりない。


最初から、知っていた。


最初から、分かっていた。


だからこそ、もう迷いはしない。


だってあいつは俺の──なんだから。




「──死ぬ気で行くぞ、テメーら!」