「一階は今ガキの専用スペースだから、君は二階ね」
「ガキ?」
「あぁ、下っぱのことだよ。そのへんは後で改めて聞いて。説明するように言っておくから」
すたすたと階段を上がっていく雅さんの背中を追いかけながら、ふと気づいた。
さっきの物言いといい、雅さんはなるべく自分が介入しないようにしているのかもしれない。
どこか一線を引いている、というか。
卒業した身と言っていた時点でちょっとした違和感はあったのだけれど、元総長とはいえ、もう胡蝶蘭にはあまり関わりたくないのだろうか。
そうだったら私、申し訳ないことを……。



