どうやら、大翔さんだけではなく雅さんもとくに私に興味はないらしい。 そっちの方が有難いけど、と心の中で呟いたその時、雅さんがぴたりと立ち止まった。 「まぁ、あとは自分の目で確かめればいいんじゃない?」 「え……」 「着いたよ。ここが胡蝶蘭の倉庫」 ……倉庫?これが? 雅さんの見上げる先にあるのは、暴走族のアジトだとは思えないくらい立派な一軒家。 というよりも、ここまでの規模となると屋敷という方がしっくりくるかもしれない。