◇
深夜、どうしても眠れずに階段を降りていくと、幹部室の扉の隙間からうっすらと光が漏れていた。
……まだ、誰か起きてるのかな。
ほんの少し迷いつつ、そっと扉を押し開ける。
「……寝れねえのか」
いつも通り自分用のソファに座っていた理月が、そう言いながら顔を上げた。
まるで私だと分かっていたように。
その顔にはいつものからかうような表情はない。
「あ、うん……ていうか、理月ってメガネかけるんだ」
見慣れない黒縁メガネをかけていた理月は、言われて始めて思い出したように「あぁ」と縁に手をかける。
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