嘘つきお嬢様は、愛を希う






深夜、どうしても眠れずに階段を降りていくと、幹部室の扉の隙間からうっすらと光が漏れていた。


……まだ、誰か起きてるのかな。


ほんの少し迷いつつ、そっと扉を押し開ける。



「……寝れねえのか」



いつも通り自分用のソファに座っていた理月が、そう言いながら顔を上げた。


まるで私だと分かっていたように。


その顔にはいつものからかうような表情はない。



「あ、うん……ていうか、理月ってメガネかけるんだ」



見慣れない黒縁メガネをかけていた理月は、言われて始めて思い出したように「あぁ」と縁に手をかける。