風汰先輩のご飯は本当に美味しい。 いつも安定して抜群の味付けだし、なにより手作りならではの温もりがある。 それなのに、今日はまったく味が感じられなかった。 ……申し訳ないな。 ズキンと痛む胸に気付かないふりをして、私は幹部室を後にして足早に部屋へと戻る。 後ろ手に扉を閉めた直後、がくっと身体から力が抜けた。 「……っ」 その場にしゃがみこんでしまいながら、私は自分を抱きしめるようにして膝を抱える。 身体が、わずかに震えていた。