……そもそも私は、もうここにいる必要がない。 天馬を連れ戻すのは、もうやめたから。 一日一日、毎日毎日。 何かに触れる度に気付かされて、誰かと言葉を交わす度に悲しいくらい感じるんだ。 天馬がどれだけここが好きか。 どれだけ、みんなに愛されているか。 ……そう、あの子はここでちゃんと生きていっていた。 ようやく母を失った悲しみを乗り越えて、どうにか前を向いて歩んでいこうと踏ん張っていた。 そんな姿を見てしまったら、ただひとりの姉として弟の人生を邪魔するわけにはいかないだろう。