「今の胡蝶蘭を引っ張るのはあんたじゃねえ。5代目総長であるこの俺だ。そして俺には俺のやり方がある」
毅然とそう言い放てば、雅さんは僅かに眉根を寄せて小さくため息をついた。
やれやれとも言わんばかりに首を振る。
「……まったく、なんだって柊真はこんなやつに総長を渡したのかな。俺だったら確実に弾くのに」
「んなの本人に聞いてください」
まあ嫌われてるとは思ってたが、まさかこんなに面と向かって言われるとはな。
その方が俺としてはやりやすいけど。
「……で、そろそろ話を戻しても良いかしら?」
成り行きを見守っていた瀬良が、ようやく割り込む隙を見つけたのか呆れたように腰に手を当てて肩を竦めた。



