「……サリさん、少しだけ聞いてもらえますか。私の……私たちのちょっと昔の話」 何となく、この人には話して大丈夫だと思えた。 サリさんが頷いてくれたのを確認して、私は気持ちを落ち着けるように小さく息を吐き出す。 そういえば、誰かに話すのは初めてかもしれない。 話そうと思ったのも、初めてだ。 なんだか不思議な心地に包まれながら、私は覚悟を決めてぽつりぽつりと話しだす。