「なるほど。それを知らねえってことは、とりあえずどこかからの刺客ではなさそうだな。嘘をついているようにも見えねえし」
「う、嘘なんてついてません!」
「いや、悪い悪い。なんせ最近は前にも増して物騒でな、スパイだのなんだのってよくある話なんだよ。──で、俺たちが胡蝶蘭のなんだって話か?」
大翔さんはようやくその顔に笑みをにじませると、雅さんの脇腹を小突いた。
それを嫌そうな顔で押し返しながら、雅さんは面倒くさそうにため息をつく。
「俺たちはメンバーじゃない。今はね」
「今は?」
「卒業した身だから正確には元メンバーかな。俺は3代目総長の月岡雅。そしてこの人は胡蝶蘭の創設者──もとい初代総長だよ」
ズガンとハンマーで頭を殴られたような、とてつもない衝撃が走った。



