嘘つきお嬢様は、愛を希う



なんでこんな振り回されてるんだろうな……私。


何とかため息を堪えてもそもそとサンドイッチを口にいれるけれど、なぜだか味がよくわからなくなっていた。



「桐姉、総長になにしたんだよ」


「……別に何もしてないよ」



昨日から変わらず、顔を合わせれば口喧嘩。


ただそのさなかに突然思ってもみない優しさを織り交ぜてくるから、こっちも調子が狂ってしまう。



「まぁ、あれは本人も気づいてないでしょうね」


「気づいてない?」



含み笑いでどこか困ったように肩をすくめる瀬良さんは、風汰先輩と顔を見合わせる。



「なんとかは盲目って言うでしょう? あれは間違いなく、きりのんに堕ちてるわよ」


「ああ見えてもとから世話焼きな所はあるから、ただ単に慣れない女の子にどう接したら良いかわからないっていう可能性もなくはないけど」



いやいやいや、と私は首を横に振る。