「いただきます」
微笑ましそうなおばちゃんからサンドイッチセットを受け取り、ぺこりと頭を下げてから理月の後を追いかける。
理月は普通の生徒たちが食事をする横を通り過ぎ、ロフトに繋がる階段をスタスタと登っていく。
そのやけに遠く感じる背中を見上げながら、私は小さくため息をついた。
やっぱり私も、ロフトで食べないといけないのかなぁ……。
出来ることなら、他の生徒たちと同じようにそのへんの机で食べたいんだけど。
「おい何してる。早く来いよ」
「うん、分かってた……」
学校にいる間は離れるなと言われている手前、無駄に反抗するのも無意味だと悟る。
浴びすぎていっそ慣れてきた視線の嵐を背中に受けながら、私は重い足取りで階段を上がった。



