え、なに……っ?
きんと張り詰めた空気に恐る恐る顔を上げると、雅さんだけではなく、穏やかだった大翔さんの目にも冷気が漂っていた。
自分を捉えたふたりの目があまりに鋭くて、聞こうと思っていたことが一瞬にして頭から飛んだ。
まるで蛇に睨まれた蛙のように意図せず全身が硬直して、指先ひとつ動かすことが出来ない。
──怖い。
自然と震えそうな手をギュッと握って、それ以上言葉を紡げずにいると、ふと雅さんが力を抜いてコテンと首を傾げた。
「そういえば、誰かに似てる? 君、名前は?」
「え……っ」
「名前。教えられないなら別に良いけど」
「そういうわけじゃ……」
ただ味方かどうかもわからない相手に、そうやすやすと情報を与えてしまって良いものなのか咄嗟に判断がつかない。



