「そっ、総長!」
頬を蒸気させた男子生徒たちが数名、私と理月の前に好奇心を抑えられないといった様子で詰め寄ってきた。
鬱陶しそうに顔をしかめた理月が、「あ?」と不機嫌に顔をあげる。
「なんだよ」
相変わらず近寄るなオーラを全開に放出して男子たちを一瞥し、舌打ちをかました。
「つか、学校ではその名で呼ぶなって言ってんだろ」
「す、すみません! でも、オレらどうしても気になって……。理月さん、こっ……この方は!?」
「この方じゃねえよ。ただの学校見学野郎だ」
思わずガクッと椅子から滑り落ちそうになる。
私は野郎じゃなくてれっきとした女子なんだけど!?
「え、でも、理月さんの彼女ですよね?」
理月に訂正しろと詰め寄りかけた私は、その言葉にさらに仰天して「はい!?」と目を剥いた。
隣の理月も「はあ?」と顔に似合わない素っ頓狂な声を出して、思わずふたりで顔を見合わせる。



