嘘つきお嬢様は、愛を希う



……そもそも、男の人とか慣れてないし。



「今度はなんだよ。怒ったり泣いたり拗ねたり、まったく忙しないやつだな」



俯いた私が拗ねたと思ったのか、理月が試すように喉を鳴らす。



「べ、別にそういうわけじゃないから」



本当にこの人、どうかしてるよね。


私で遊んでいったい何が楽しいんだろう。


わずかに熱を持った耳を隠すように髪をおさえて、私はキッと視線をあげた。


けれど、目に入った顔は意外にも穏やかで。


予想していた表情ではなかったことに調子を狂わされていると、理月は口先だけはまだ不機嫌なまま「しょうがねえな」と言い放った。