「暴走は、しないんですか?」
「いいや。族同士の抗争はあるし、警察の世話にならねぇ程度の暴走はする時もある。だが、総長の許しがある時以外はバイクで走り回ることもない。……まあ、族って名乗ってる前提で善も悪もないが」
「それも大翔さんの……?」
櫂さんはうなずく。
「もちろん総長から総長へ繋いでいく過程で変化することも、時代の流れで変化せざるを得ないこともある。だが、こうしてブレずにいられることを考えれば、やはり創設者の理想はいつまでも根付くものなんだろうな」
「創設者の、理想」
……そういう、ものなのかな。
しみじみと語る櫂さんの声を聞きながら、私はぼんやりと考える。



