「ミカ、焼きそばの特訓してくれないかな?」



調理室で野菜を切ってる深夏に、声をかける。



「およっ、どーゆー風の吹き回しぃ?」



「た…頼まれたのっ。

作りたくて、作るんじゃないってば…。」



「もしかして、好きな男のコとか?」



深夏のセリフが耳に入ったのか、クラスのコたちが群がった。



「ワカ、好きな人って誰?」



「聞きたーい!」



ちょっと、ヤメてよ!



「もう、そんなんじゃ無いって!」



「隠さなくたって良いじゃん。」



別に、隠してるわけじゃない。



「顧問の坂下先生に頼まれたの!」



「顧問って、書道部の?」



「蒼先生とよく一緒にいるオジサン?」



そう…だけど?