「離せ!!」



ジイサンの声がしたので目を開けると、坂下がジイサンの右腕を掴んでいた。



「桐生先生、彼女をあなたのコピーにするおつもりですか?」



「離さんか!!」



「目の前で女性が暴力を揮われると分かっていて、離すわけがないでしょう。」



「まだ生理も来てない子供に、女性って…ねぇ。」



クスクス笑いながら、母が入ってきた。



そういうことを、こんなとこで暴露するかぁ!?



私は、唇を噛み締めた。



「御爺様、こんな子供に構ってないで、大雅の文化祭に参りましょう。」



母はそう言うと、ジイサンを連れて出て行った。



その場に残った私の耳に、ケタケタ笑う2年たちの笑い声が聞こえる。



居たたまれなくなった私は、会場を飛び出した。