私はこのまま、ただ見てるだけで良いの?



同級生のコ達と一緒になって、ざまあみろって笑ってて良いの?



会場の外から、書道部の後輩たちが不安そうに中の様子を見ていた。



あの子達は、こうしてつっ立ってる私を見てどう思う?



3年が引退した後、私が部長だって言っても認めないんじゃないかな?



元はといえば、私が桐生先生を呼んだりしたから…。



騒ぎを、治めなきゃ。



だけど、部長みたいに桐生先生の前に立ちはだかるなんて…。



とてもじゃないけど、できないこと。



私にできることは…。



「ちょっと、どこ行くの?」



同級生が、私の腕を掴む。



「坂下先生、呼んでくる!」



「放っておけば良いじゃん、あんな生意気な子!」



「そんなワケにはいかないよ、部員守んなきゃ…。

このままじゃ、私…胸張って部長なんてやれなくなる!」



掴まれた腕を振り解くと、私は廊下を走った。