校門の看板作りが終わった、翌日の昼休みのことだった。



クラスメートが、私に名刺サイズのカードを渡して言う。



「焼きそば作れないなら、前売券作って貰おうか。」



前売券は女子が可愛いデザインのを作って、売りさばいてる最中だよね?



「男子がチケット買ってくれなくてさ、前売限定で大盛サイズ出すことにしたんだ。

筆で渋くまとめてよ。」



硯や墨を用意するのも面倒だったので、ペンケースから筆ペンを取り出した。



「“大盛焼きそば”で良い?」



「ひと捻り欲しい。」



えーっ。



要らないプリントの裏に、思いつくまま書いてみる。



いくつか書いてると



「あはははー、コレ良いわ。」



笑い声に、他のクラスメートが近づいてきた。



「ワカ、マジウケる!」



「コレ採用ね!!」



採用されたのは



“男(ココだけ大文字)の焼きそば”



だった。



前売券を作っている最中、廊下をバタバタ走る音がし、近づいてきた。



バンッ!!



教室のドアが開いたと同時に



「ワカ、大変!!」



顔を上げると、深夏が血相を変えて叫んでいた。