アンジェ先輩か入ってくると、坂下はベッドから上半身だけを起こした。



「アンジェ、こちらへ…。」



彼女をベッドに腰掛けさせると、羨ましいくらい細い彼女のウエストに坂下の手が回される。



もう一方の手で彼女の顎に手をかけると、坂下は彼女の唇に軽いキスを落とした。



私も、あんな風に触れて欲しかったと…何度思っただろうか。



唇が離れたと思いきや、坂下は彼女の腰を引き寄せ、もう一度キスをする。



今度は、かなり長くて濃厚なキス。



しかも、舌なんか絡めちゃってるし…。



アンジェ先輩は坂下の背中に回してた腕を片方だけ離すと、自分の靴を脱ぎだした。



コンバースのハイカットは脱ぎにくいのか、片方ずつ紐を解いて乱暴に床に転がす。



その際に短いスカートから、チラリと下着が見えた。



片足だけドア近くまで転がってきたので見ると、何年か前に出たチェックのクリスマス限定。



靴から視線を坂下たちに戻すと、アンジェ先輩が坂下の上に跨り、向き合って抱き合う。



彼女は少し潤んだ瞳を坂下に向け、しなだれかかる。



ああやって、坂下を誘惑したの?



逆立ちしたところで…いや、そもそも私に逆立ちなんてできないんだけど、私にあんな色気は一生出せない。



悔しくて唇を噛み締めていると、坂下が追い討ちをかけるような言葉を言った。



「アンジェ、愛してます。」



愛しそうに、彼女を見つめながら…。



さすがに、もう限界。



私はシャッターを切ってる深夏を置いたまま、この場を去った。