文化祭初日、学校に着くなり担任に呼び出された。



しかも、指導室。



「こんなところに呼び出される覚え、無いんだけど?」



夏休み前なら、思い当たる節はある。



学校、サボってたし。



だけど、それを今更咎めるか?



坂下の呼び出しならホイホイついて行くけど、担任と密室で2人きりとか嫌だ。



「さっさと入れ。」



ドアを開け、室内を顎で指しながら言う。



私は、言われた通りにした。



「…で、私に何の用?」



「昨日の体育祭、足引っ張ってくれたよなぁ?」



「玉入れの後に散々怒ってたのに、まだ言い足りない?」



「それだけじゃない、坂下ごとき相手に簡単にゴールまで運ばれるし、応援合戦じゃ無様に転けるし…。」



この場合、とりあえず謝っておくべきなんだろうか?



「なんか、俺1人のせいで負けたって言われてさぁ…。

お前が何も言われないのは、どうよ?」



「誰も、私に期待してないからでしょ。

ってか、チアガールの脚に見とれて負けたんだから…。」



言われても仕方なくない?



そう言おうとしたら


「ウルサイ…ウルサイ!ウルサイ!!」



怒鳴りながら、殴りかかってきた。



鈍い私に、避けるなんてできる訳もなく…。



拳を、まともに喰らった。



「大体、前から気に入らなかったんだよ。

水泳の授業休んで補習になると、坂下先生使って内容変えさせるし

ぶっちぎりでトップ取ってたくせに俺が担任になった途端、2位との差が殆ど無くなる位成績落とすし

最近じゃ、ブレスレットしてくるわ、スカーフの結び目も変えてくるわ…。

俺をナメるのもいい加減にしろよ!

そういうトコ、アイツそっくり…。」



アイツそっくり…って?



コイツ、何を言ってるの?



ワケ分かんないんだけど?



私は痛みを和らげようと、カーテンを引き剥がして頭から被った。