応援合戦は、朱火組がラストに行う。



早々に終わった青組を見た団長が、もの凄く悔しがっていた。



「あいつら、団長に女子使ってきやがって!」



確かに、アンジェ先輩の応援団長はカッコ良かった。



だけど、それは他に適任がいないからであって…。



ウチの応援団は触発されたのか、何やら打ち合わせしている。



今更、何か考えるのもどうかと思う。



「優、服脱げ!」



「ええっ!?こんなとこで、ストリップする気無ぇし!!」



指名された野田先輩が、反論する。



「馬鹿、誰も見たくねぇよ。

どうせ下に体操服着てるだろ、サッサと脱げ!」



団長は野田先輩に言い放つと、今度は澤弥先輩の方を向いた。



「タク、桐生ちゃんの髪をカッコ良く固めろ。」



私の髪を、固める!?



「こんな綺麗な髪に、整髪料塗りたくるの嫌だ!」



「タクが嫌なら、俺が桐生ちゃんの髪を触っても良いんだな?」



他人に触らせたくないのか、澤弥先輩は渋々従う。



一体、何?



そう思ったときに、目の前に学ランが差し出された。



「桐生ちゃん、応援団の段取り分かるよな?」



まぁ、何度か練習見てたから…。



「まさか、野田先輩の代わりに応援団の一員になれってこと?」



私の周りを囲んだ学ランの集団が頷く。



そんなの、困るんだけど?



私は、助けを求めて野田先輩を見た。



「桐生、間違えても怒られないから安心しろ。

みんなが注目する、可愛い応援団員が欲しいだけだ。」



そんなぁ、野田先輩まで…。