蒼の隣のデスクについたのは、坂下。



蒼のクラス担任だから、式典の時も隣にいたんだ…。



私は、深夏の袖を掴んだ。



そこへ、ウチの担任が坂下に近づいた。



「坂下先生、山田の世話は大変でしょう?」



「昨日会っただけですから、そのようには感じません。」



山田って苗字、確か2日前にも聞いた気がする。



余程、手を焼く生徒なんだろうな…。



その会話を聞いた深夏が、蒼に尋ねた。



「山田っていう生徒、学校で有名?」



「新聞部希望なんだろ?気になるなら、自分で調べるといい。」



「山田なんてありふれた苗字だけじゃ…、せめて名前も教えて。」



だけど、蒼はニヤニヤ笑うだけ。



ケチ!



「神谷!桐生!いつまで喋ってるんだ?」



担任が、出てけとばかりに急かす。