あっという間に、体育祭当日。



去年までは、夏前に陸上競技選抜目的でやってた。



陸上選抜なんてお呼びじゃない私は、当時の担任の計らいで図書室で自習させてもらってた。



だから、去年の様子なんて知らない。



っつーか、何で1人最低1種目出なきゃいけないんだろ?



憂鬱な気分で応援席に向かうと、野田先輩が手招きしている。



チームの足を引っ張ることが確実な私にとって、クラスメートが屯してる辺りは針のムシロ…。



野田先輩のお誘いに甘えて、3年が集まってる辺りにお邪魔した。



「桐生ちゃん、一緒に応援しような。」



そう言って、澤弥先輩が頭を撫でた。



いや、少しだけ伸びたショートの髪を梳いた…という表現が正しいかもしれない。



「桐生ちゃんって、1年の時は髪伸ばしてただろ?

俺の中では5本の指に入るくらいキレイな髪なのに、こんなに短くしちゃって勿体無い…。」



面識ないのに、そこまでチェック済なんて…。



流石、髪フェチ!



ってか、コワ過ぎ!! (((゜д゜;)))



「あ…あんまし、ぐちゃぐちゃにしないでくださいね…。」



そう言ったところで、聞いて貰えそうに無いけど。