「何やってるのよ、翠子さんに恥かかせる気?」



野田先輩に小声で注意してる間に、抹茶が点てられたようだ。



野田先輩のとこに先に茶碗が出され、私の前にも茶碗が出された時



「うっ…。」



って、隣からヤなカンジの声がした。



野田先輩は、抹茶が苦いのを知らなかったようだ。



「何、コレ…?」



その声が聞こえたのか、抹茶を点ててくれたコが泣き出す。



「この…馬鹿っ!!」



私が野田先輩を怒鳴りつけたのと同時に、翠子が入ってきた。



「翠子様~!」



泣き出したコが、翠子に縋りつく。



「一体、何があったのかしら?」



その場にいたコに事情を聞いた翠子は、泣きながら縋りついてたコに言った。



「私にも、お茶を点てていただけるかしら?」



その一言で泣き止ませるんだから、翠子ってスゴイ。



「ごめん…。」



隣に座った翠子に、野田先輩が申し訳なさそうに謝った。



「優さんの好みを、聞かずにいた私が悪いの。」



しかも、自分の彼氏をきちんと立てるし…。



翠子さんのもとにお茶が出され、さっき泣いてたコがそばについた。



翠子さんがお茶を飲んでる間、私は他の生徒と喋る。



「そのロザリオ…。」



生徒の1人が、遠慮がちに私の手首を指す。



「翠子さんに持っててって、言われた。」



「じゃあ、やっぱり…。」



やっぱり?



疑問に感じていると、翠子の案内で回るというので、野田先輩と生徒会室を出た。



その際



「ローザリー様の前で、翠子様にべったりするのは良くないわ。」



なんて、抹茶を点ててくれたコが注意されてた。



ローザリー様って、誰だろ?