『聖アグネス女学園』



まるで、城でも守ってるような塀に囲まれた学校だ。



「今回は招かれてるのに、緊張するんだよな…。」



一緒に来た野田先輩が、呟く。



そう言うのも無理はない、校門にはイカツイ警備員いるし…。



ああいう人じゃないと務まらないのかな?なんて思いながら見てると、こっちを見た警備員の1人が帽子のつばを軽く上げて会釈した。



「あ。」



野田先輩がそれに気づいてお辞儀するから、私もつられて頭を下げた。



「先輩、知り合いなんですか?」



「前に来た時いた人だから、顔覚えられたんじゃないか?」



警備員に顔覚えられてるって…。



「一体、何やらかしたんですか!?」



「翠子を待ち伏せただけ…だけど?」



女子校の前で、ソレやるかぁ?



怪しい奴No.1にランク付けされてるよ、絶対。



すると、さっきの警備員がこっちに来た。



野田先輩のせいで追い返されるんじゃないかっていう不安の中、警備員が口を開く。



「キミたち、黄金さんから入場券貰ってるんだよね?」



そうっ、だから怪しくないし!!



しつこいくらいに首を縦に振って、入場券を見せた。