「ミカの名前、覚え易いね。」



HRで自己紹介した後、深夏と職員室に向かいながら喋る。



「1度聞いたら忘れられないからってことで、名付けたみたいだけど…。

逆から読んでも、『カミヤミカ』…だもんね。

ウチの親、何考えてんだか…。」



うーん、本人にしてみたら複雑だよね。



「ミカは鬼マサのコト聞きたいって言ってたけど…、一目惚れ?」



「そういうのじゃなくて…単なる興味。

私、新聞部に入りたいんだ。」



確かに、アオイみたいにイケメンなら、学校新聞のいいネタになりそうだ。



「んで、ゆくゆくはジャーナリスト!」



深夏は、既に将来やりたいこと決めてるんだ。



「私なんて、遊ぶことしか考えてないよ。」



「普通、そうだよ。

私だって夢だけで、どのメディアにしようとか、大学どこにしようとか白紙だもん。」



それ聞いたら、なんか安心した。