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「……それで?今、その奥さんと暮らしているの?」


無口の父さんに代わり、母さんは尋ねてきた。


「ああ」


「吊戯さんの話だと、きちんと出社はしているようね。貴方が最近建てていたという家は、家族のため?」


「ああ。自分の金でしている」


「お金のことを言っているんじゃないわよ」


母に笑われ、どうやら、母はそこまで怒っていないらしい。


元々、母は夏咲と仲良かったし。


「相手は、どんな子なの?」


「……2人もよく知ってるよ」


「え?」


俺の言葉に、驚く2人。


「もう、娘がいる。夏姫だ」


写真を見せると、


「あら、可愛い!お母さん似?」


と、母は俺と写真を見比べて。


「娘が生まれたのなら、帰ってきなさいよ」


「……政略結婚するのは勘弁だ」


「あら、夏姫ちゃんがいるのに、そんな過酷なことをすると思う?まぁ、あなたは仕事帰りに、家を継ぐために勉強はしてたみたいだけど。新しく建てた家に引っ越すんでしょう?私、奥さんと夏姫ちゃんに会いたいわ」


「…………妻と夏姫を傷つけたら、たとえ、親でも容赦しませんよ」


「あら、怖い。心配しないで。私、反対するつもりないから」


サラッと、微笑む母さん。


「だって私も、元はOLよ?」


……そうだったのか。