「へへっ、それにしても、いい女だぜ。こんな上玉とは、今まで会ったこともないな。どうだい、プリンセス？ 国王の前に、この俺の相手をするかい？ あの老いぼれなんかより、よっぽど楽しいぜ」


側近はいやらしく舌舐めずりをした。

すると、その場には……誰の背筋も凍りつかせるほどの冷酷な声が響いた。


「汚い手で触れるな」

「へっ？」


次の瞬間。


「ギャァア！」


うららの体は青い光に包まれて……ヴォルブの側近の悲鳴が響き渡った。

その側近の体は八裂き……いや、木っ端微塵に飛び散ったのだ。


それは、一瞬の出来事だった。

うららプリンセスの内に眠っていた獰猛な白豹が覚醒して。

ウルフの血族の者を抹消したのだった。