私達は大急ぎで、ペガサスの引く車でアルビンへと向かった。

私とレオパードの周りでは、同じくペガサスに引かれたパンターの兵士達が我先にとアルビンへの空路を急いでいた。


「何が何でも、ウルフ達よりも先にアルビンへ着かないと……」


私の胸はその想いでいっぱいだった。

だって、アルビンにいるのは健と瓜二つのサーバル。

とても他人とは思えなくて……

絶対に、ウルフの毒牙にかけさせてはいけない。

そう思えば思うほどに、私の気は逸っていた。




「着いた!」


私達はアルビンの王城、ブランに着くと、ペガサス車から飛び降りた。

出迎えてくれたのはマーゲイで、城の前で目を丸くしていた。


「まぁ、レオパードプリンスにうららプリンセス。これは、一体……?」

「たけ……サーバルは無事? 無事なの?」


すると、マーゲイは不思議そうな顔をしながらも頷いた。


「はい、今日は体調が戻られたかのようで。今しがた、朝食を取り終えられましたよ」


その言葉に私は安心して。

思わず、へなへなとへたり込んだ。


「良かった。本当に、良かった……」


そんな私の様子を見て、マーゲイは首を傾げて不思議そうに尋ねた。


「でも、これほどの軍を連れられて……一体、どうされたのですか?」

「そうだ。安心してもいられないわ」


彼女のその言葉が、安心のあまり脱力した私を途端に現実に引き戻した。