ピピピ…
朝の目覚まし時計が鳴る。
気分はいい。
体を起こし、鏡の前で制服を身につける。
私、河合美波は今日から高校1年生。
夢の高校デビューをするため、メイクは欠かせない。
もう、あの頃に戻りたくないから…
「美波ー、早く準備しなさい」
リビングからお母さんの声がする。
「はーい」
お味噌汁の香りでさらに空腹になる。
私はテンションを上げてリビングへ行った。


「おはよう美波」
「おはよう雪那」
少し小柄で芸能人になっていいほどの容姿をしていてスタイルもよく思わず守ってしまう雰囲気の私の親友、西宮雪那。
雪那だけは中学からの仲である。
あんな私を唯一仲良くしてくれた友達だ。
「同じクラスになれるといいね」
「そうだね、なりたいね」
下駄箱の前はたくさんの人だかりが出来ていた。
「これじゃ見えないね…」
「私見てくる」
といい、雪那が奥へと行ってしまった。

数分後、雪那が戻ってきた。
「うえーん。美波と離れたー」
「あらら…それで何組だったの?」
「私が2組で、美波が1組」
雪那が涙目で教えてくれた。
「そっかー残念だね…」
「美波絶対に遊びに来てよ?」
「うん、もちろん」
そう言って雪那と離れた。