アパートに着くとすぐに抱き締められて「離したくないな」と甘い声色で囁かれた。

「今日は一緒にシャワー浴びません?」

 言われた内容と敬語が一致しない。

 ちゃんとしたい時に敬語………。
 ちゃんとして一緒にシャワー?

「どうしちゃったの?
 そんなこと………。」

「俺が甘えてるんです。
 美希さんは俺のこと甘えさせてくれるんでしょ?」

 そんな話したけど………。

「一緒にシャワーなんて……無理に決まってるよ。」

「どうして?
 もう隅々まで美希さんのこと知ってるのに。」

 やっぱり意地悪を言う時はタメ口なんだから。
 怒りたいような内容なのに、おかしくてクスリと笑うと抱きかかえられた。

「待って!無理だからね!」

「分かってる。
 少しでも近くにいるために脱衣所まで。」