どこかで、自惚れていたのだ。

「……あ……あぁ」

口から漏れた吐息は、恐怖からだろうか?それとも悲しみからだろうか?

心を砕いて、寄り添って。相手も同じように思ってくれていると、思い上がっていた。

知能が高いから、まるでこちらの言葉を全て理解しているように感じていた。

どこかで、人間と同じように思っていた。

けれども、それはただの自分の自惚れ。

目の前で起きたことは、自分の甘さが招いたこと。

口から滴る血や、狂気をはらんだような瞳に、体が動かない。

こちらの思い通りになど、動くはずがないのに。

恐怖を与えることでしか、人は幻獣達と生きられないのだろうか?