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 僕は早紀と一緒にその日の授業に出た後、夕方の四時半ぐらいに正門前で別れた。


「俺、今からバイトの準備しないといけないんだ。午後六時からシフト組んであるから」


 僕がそう言うと、早紀が、


「あたしも今日はバイトに行くの。家庭教師のね」


 と言い、笑顔を見せる。


「相手は高校生?」


「うん。今時のイケメンなんだけど、家から出ないでこもってるの。だから、あたしが勉強を教えるついでに、いろいろと相談に乗ってあげてるの」


「へえー。やっぱカテキョも変わったんだな」


「そうよ。それに生徒側から査定があるの。一定基準以下の家庭教師は首切られるんだから」


「厳しい時代だね、どこでも」


 僕が頷くと、早紀が、