「うん。俺、風呂上りはいつも冷たいものが飲みたいんだ。秋冬でもね」


「分かった。じゃあ、冷たいの淹れてあげる」


 早紀が頷き、僕は一人でリビングに佇んで、床で足を思いっきり伸ばした。


 寛いだ姿勢のまま、軽くストレッチする。


 早紀はマグカップに水道水を直接注ぎ入れて、インスタントコーヒーの粉末を溶かし、風呂上りの一杯を作ってくれた。


「出来たわよ」


「ああ、ありがとう」


 僕が頷き、彼女が自分の分も一緒に運んできた。


 僕がアイス、早紀はホットのコーヒーをそれぞれ飲む。


 部屋の暖房は利きすぎるぐらい利いていた。


 まるで夏が戻ってきたかのように蒸し暑くなる。


「エアコン、切っとくよ」