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 僕たち二人は手探り状態の中、山の中を進んでいく。

 
 山中の坂は険しくて、おまけに辺りが真っ暗だからか、先が全く見えない。

 
 僕も早紀も手を離さないようにして、ゆっくりと歩いていく。

 
 そう、二十分ほど山を登り、明かりの点いている場所まで辿り着いたところで、僕たちは前方に公園を発見した。

 
 暗がりで前がよく見えないが、それは明らかに公園だった。

 
 僕たちはこの町に来て初めて、この手の公園に来ていたので、公園内がどんな風になっているのか、まるで分からない。

 
 ただ、一つ言えるのは、この公園は田舎町にポツリとあり、とてもリラックスできる場所ということだけだ。

 
 その他はとりわけ何もないただの公園である。

 
 椅子があり、座れるようになっている。

 
 僕たちは揃って椅子に座り、ゆっくりと寛ぎ出す。

 
 ここは山の中腹で、山頂にまで登ればとても綺麗な景色が見られそうだった。