「友達かばってもねー」



……お姉ちゃんはどうしてそんな悪役みたいなことばかり言うの。



「邪魔をしようとして出来なかった僕が言うんですから、間違いないですって」



お姉ちゃんは須藤君を見ると、私と楓真を交互に見た。



「二人の邪魔?」


「はい。二人の付き合い方に納得がいかなくて。でも、二人はちゃんと、お互いに好きだと思いますよ」



須藤君はご自慢の爽やか笑顔を見せた。


お姉ちゃんはその笑顔に一瞬見惚れ、だけどすぐにまた悪人の顔をして楓真を見た。



「奏汰に免じて許すけど、次紗知を悲しませたら、殴り飛ばすからね」



お姉ちゃんは私が持っていた服を取って、支払いに行ってしまった。



……あの意地悪は私のため、と?



「わかりにく……」


「でも、優しいお姉さんだね」



須藤君だって優しいと思う。


あれをそう解釈できるんだから。



「俺も気を付けないと、今度こそ殺されそうだ」



楓真は苦笑混じりに言った。



「……紗知、嫌な思いさせてごめん。でも俺は、真剣に紗知と付き合っていきたいし、離れるなんてしたくないから」



急に真面目な声で話し始めた。