「須藤奏汰?」



その日の夜、のんびりとしているお姉ちゃんに遭遇し、須藤君のことを話した。



お姉ちゃんはコーヒーを飲みながら、録画していた恋愛ドラマを見ている。



「知ってるの?」



私もコーヒーを作り、お姉ちゃんの隣に座る。



「須藤舞花の弟?」



そんな確認されても、須藤君の兄弟関係なんて知りません。



「須藤舞花はかなりの美形だからなあ。その奏汰って子も美形?」


「学年一のイケメンらしいよ」



お姉ちゃんは、じっと私を見てくる。



ドラマ流してるんだから、そっちに集中しようよ。



「彼氏くんにしか興味なかった紗知は、奏汰を知らなかったんだ?」


「……ノーコメント」



お姉ちゃんは楽しそうに笑う。



お姉ちゃんと楓真、似てるよなあ……



「そうだ、ダブルデート的な感じでどう?」


「お姉ちゃんと須藤君、私と楓真ってこと?」



確認のためにメンバーを言ったら、お姉ちゃんはまた私の顔を見てきた。


そしてニヤニヤと笑う。



「下の名前で呼ぶようになったのね」



……ほっとけ。



「まあ、いいや。そのメンバーでどう?」