異世界トランスファ

私はナギに言われた疑問をそのままぶつけてみた。


「あの、ツムギさん・・私の言葉わかるの?」


「・・え?はい・・あ。」


その言葉に全員は話すのをピタリとやめた。

何かに気が付いた様だ。



「え?待てよ・・君」


と一番に声を発したのはツカサさんだった。


妙な顔つきで私をマジマジと見てくる。



「あの?どうかしましたか?」


「・・・確かに君・・俺と同じ言葉で話してない?」


「え?」


しん・・・


と部屋は静まり返る。

そして私はピンときた。


「も、もしかして・・2017年にここに来た人ですか?」


と私が言うと、ツカサさんは目を輝かせて私の肩を掴んだ。


「ど、どうしてそれを!?君は一体!?」


「えっ!?嘘!?本当に!?」


驚きすぎて声が裏返った。

この人が、あのスマホの持ち主さん!!??

男の人だったんだ!

私はてっきり女の人かと思っていたのに。



「き、君は過去から来たの!?俺と同じ!?」


「は・・はい・・2018年ですけど」


「そんな・・やっぱり・・でも・・」


ツカサさんは明らかに変な顔をした。

喜んだがすぐに落胆もしていた。

当然私達の他は驚きで瞬きをパチパチとさせていたが、ツムギさんは納得したように頷いている。


「道理で。私達はツカサの為に翻訳チップを使っていて」


「なるほど・・」


とナギとギンも頷いた。