「アル、ゼイルに槍投げちゃ駄目だよ?」

「……あいつが余計なことを言うからだ」

ムッと眉を寄せるアルに、レインはクスッと笑った。

『レイン』

「ティア?」

『レインは、アルと一緒にいたいの?それとも、いたくないの?』

ティアに問われ、レインは戸惑った。

(……私は……)

アルと一緒に居たいのか、居たくないのか。

そんなの、答えはとっくに出ていた。

「私……ティア達とお別れするのは、勿論寂しいし悲しいけど………アルとお別れするのは、もっと寂しいの。……ううん。寂しいというより」

痛いと思った。

アルと離れなければと思えば思うほど、胸の奥が痛んだ。

「アルが居ないと………辛い。アルが側にいてくれると、私、幸せな気持ちになれるの。……えっとね、上手く言えないけど、アルがとても大切なの…」

具体的な言葉が浮かばず、レインはどうすれば良いか分からなかった。

伝えようと思っても、上手く言葉にならないのが、悲しかった。