僕は彼女の代わりに、彼女の子供達を見守ることにした。

彼女の子供達の中には、神龍の真実は国に必要ないと思うものがおり、神龍のことを記した書籍は燃やされてしまった。

だが、僕は全て時の流れに従ったこととして、何もしなかった。

そして、何度も何度も朝と夜を繰り返し、僕はついにレインに出会った。

リーザと同じ顔、同じくらいの心の清らかさを持った少女。

僕は、この子がいつか神龍を救い、新しい王となると思っていた。

神龍の卵を城の外へ出し、その後は卵(ティア)自身の力で、きっとレインを見付けることが出来ると信じて。

僕は、運命に従いレインに弓の使い方を教えた。銀の矢を扱うには、弓の使い方を知らなければいけないから。

レインは見事、神龍を救うことが出来た。そして、本当なら彼女は新しい龍王となる運命を背負っていた。

けれども、意識的かそれとも無意識か、彼女は世界の仕組みを変えることを選んだ。

僕は、彼女が選んだ未来と、人の心を信じようと思った。

例え僕の存在が消えても、きっとそれで良かったと思える未来があると信じたから。

レイン……君は最高の愛弟子だよ。