そして、エレイン様を連れて、レオンとクックレオと共に城を出た。

レオンは、役目があるからと、城を出てからすぐ、私の前から姿を消した。

クックレオは、餓死寸前だった所を私が拾ってから、ずっと私の側に居てくれた。

私はエレイン様を「レイン」と呼んで、妹として育てることにした。

けれども、白い髪では龍王家の血筋を引いていることは一目瞭然。だから、私はレインの髪色を赤に変えた。

それは、レオンが龍の谷へと預けた、龍王様とそのお兄様との間に生まれた赤い髪の赤ん坊が、将来レインを助けると知っていたから。

二人が、二人を呼び会うように。そんな思いを込めて、私はレインを赤い髪の少女にした。

そのせいで、回りから忌み子と呼ばれ、随分辛い思いをさせてしまったけれど。


私のレイン。時と共に私はレインを……いつしか本当の妹だと思うようになった。

彼女には、血の繋がった姉がいる。血の繋がらない私が、本当の姉になれるわけないと知りながら。

レイン。どうか強くなって。

本当は、国に関わることなく、幸せに生きてほしかったけど、きっとそれは無理だわ。

だから、私は死んだ後も願い続けましょう。

貴女に、沢山の幸せが訪れることを。

『愛してるわ、レイン』