走る二人を見て、私はそっと願った。 ──神様、どうか今日はもう少しだけ、健康な体でいさせてください。── あの二人に、心配はかけたくないから。 *** バスで10分。 私たちが来たのは、カラオケだった。 「そういえば、未亜の歌声って聞いたことないや。」 舞のその一言がきっかけで、ここに来ることになった。